離婚を決めました
すごい本を見つけました。
『前略、離婚を決めました』綾屋紗月
離婚、発達障害、アルコール依存症、風俗、浮気、DV、うつ、不登校
こういったキーワードに何かひっかかりを覚える人は、この本に心をわしづかみにされると思います。
【著者が結婚するまで】
幼いころから団体行動が苦手で、人よりも植物が好きだった綾屋さん。人と上手に関われないことが苦痛でしかたありませんでした。原因は不明。不登校も経験します。
大学に入って、恋人と出会い、抱き続けてきた淋しさが和らぐのを実感。この彼と結婚し、二児をもうけます。
ところが幸せな結婚生活は長くは続かず、夫は酔っぱらっては綾屋さんに暴言を吐いたり、暴力をふるったりするように。
【夫の裏切り】
綾屋さんは、偶然、夫が性風俗店に行った証拠メールを発見してしまいます。
夫のアルコール依存症に暴力といったギリギリの状況で、それでもなんとか家族を維持しようとしていた彼女のなけなしの努力は、とうとう完全に裏切られました。
【子どもたちへの手紙】
この本は、「子どもたちへの手紙」という形で書かれています。
第一章 お母さん、なんでお父さんと結婚したの?
第二章 お母さん、ぼくたちを産んでよかった?
第三章 お母さん、なんでお父さんと離婚したの?
第四章 お母さん、どうやって離婚したの?
第五章 エッチと暴力
第六章 弱いままで開かれていく世界へ
【素直に自分を出す】
綾屋さんは、こう書いています。
「(キャバクラで)女の人たちに囲まれるお父さんの姿を想像すると、ぷつぷつと鳥肌が立つような焼けつく怒りと、お母さんを大切にしていないことへの悲しみに覆い尽くされました」
「お父さんは、『会社で一生懸命働いているのに、おまえが味方じゃないから、言うことを聞いてくれないから、寂しくて、生き延びるために、自殺しないために、お酒もほかの女のひとも必要だった。むしろ家庭を維持するために風俗に行ったのだ』と言いました。
お母さんにはそんなこと関係ありませんでした。気が狂いました。(中略)我慢してずっと待っていたのに、ほかの女のひとと裸どうしで触り合ったりするお店に行ったというのは、お母さんにとって絶対に許せない最終的な裏切りでした」
「お父さんだって『おたがいのことだけを大事にすることを誇りに思う』と言っていたのに。お母さんはその言葉を一番信じていたのに」
「『体を触りたがるお父さんの気持ちに応じなければ、またお父さんがよその女のひとのところに行って家族が壊れてしまう』という怯えも強く、結果的に発覚一週間後から、お父さんと触れあう関係は再開してしまいました」
夜のお付き合いは、男にとって必要なものだ。
よく言われることです。たとえば妻がそれをいやがったら、「理解のないやつ」「わがまま」「男と女は生物学的にも違う」「だれのおかげで飯が食えてると思ってるんだ」なんて言われるんでしょう。
でも、この本で学んだのは、
「嫌なことは嫌と言っていいんだ」
ということ。
私は夫がキャバクラに行くところを想像しても腹は立ちません。そこで女のひとに触ったりしてるところを想像しても、別にそこまでむかつきもしません。
でも、裸になるようなところはやっぱり嫌だし、女友だちと二人で飲みに行くとか、ちょっと異性を感じさせるようなメールのやりとりとかも嫌です。
「お互いを大切にする」
結婚生活におけるとても重要なことだと思います。相手が嫌がることをするというのは、これに反しますよね?
【エッチについて】
この本は私の大好きな「よりみちパン!セ」シリーズで、中学生以上すべてのひとにむけて書かれた本です。ティーンも読むのに、性やお金についても深く突っ込みます。
『前略、離婚しました』
も例外ではありません。
エッチに関する記述も具体的。すごいのは
綾屋さんにしか書けないことが書いてあること
です。
・私にはこういう感覚が小さいころからあって、性的な行為の中でもこれはいいけどこれはいやだというのがある
と明確に記してあります。
また、現在、綾屋さんは脳性まひの小児科医熊谷晋一郎さんをパートナーとされているんですが、彼との性的な行為がいかに官能的か、上手に書いてあります。読んでいて、素敵だなあと思います。
性的なことというのは、夫婦においても難しいことですよね。
【大切にする】
大切にされたい
は同時に、
大切にする
ことももちろん要するわけですね。
私の夫は、ちょっとやきもち焼きです。学生時代は、わたしの担当の美容師さんが男性というだけで、ちょっと言葉が少なくなるような人でした。
そこで思い当たったのですが、いまの私の英会話の先生は、男性なんです。マンツーマンでカフェとかで習っています。
夫は「それくらい我慢する」と冗談めかして言いますが、平日の昼間に自分の知らないところで妻が若い英会話教師と会っているというのは、たぶんよく思っていないはずです。言いませんけど。
先生を夫に紹介したら、少しは安心したりするのかなあ? なんて考えました。
人間て、敵が見えないことが不安の原因だと思うんですよね。私もそうです。
とにかくいろんなことを考えさせられる、深い深い本でした。
煮込みうどんがおいしい季節になりました。
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