祖母から電話がありました。どことなく歯切れが悪いので、「何かあったのだな。父に関することかな?」などと思っておりましたら、
「Aちゃんがjunnaから年賀状が来ないと言っている」
という驚愕のお言葉。
Aというのは祖母の娘(私の伯母)です。伯母としゃべったのは2008年8月末。
「あほっ!!」
と怒鳴られたのが最後です。
http://child-book-time.cocolog-nifty.com/blog/cat32652356/index.html
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そんな伯母になぜ私が年賀状を出さねばならないのか?
というのが正直な気持ちですが、そんなことを祖母に言っても仕方がないので
「喪中だから」
と言いました。(実話)
祖母は大きく息を吐いて、「なるほどー! それで合点がいったわ」と嬉しそうな声を出しました。
喪中じゃなくても出さないけど。なーんてことは心の中だけで言う。
祖母は明るい声で言いました。
「じゃあ、喪中葉書を出してくれんね?」
えーーー!!!
今から出したとして、届くのは1月5日。年賀状をもらってない人に対してそんな日に喪中葉書を出すってなんか変じゃない?
「私は伯母さんから年賀状もらってないんだけど」と言うと、
「Aちゃんは本当に大変やったんよ。大便のこびりついた部屋の掃除から離れた場所にある病院へ通うのから、全部やったんだから。それなのにjunnaはなんで挨拶のひとつもしてこないんだろうって思ってるんじゃない」
祖母の言葉を聞いて、私はいろんなことを考えました。
・伯母が父の入院にかかわったのは今回がはじめて。それまでは母や私たち姉妹がずっとやってきた。何十年もそんな父に育てられてきた。
・自分の姪がそんな風に生きてきたことに対し、伯母は何も感じないのか? (私だったら自分の姪がそうだと知ったら、気づかなくて悪かったとか何かできることはないかと思う)
・祖母は父を育てた人。叔母は父と一緒に育った人。私たちは父に育てられた人。育てた人と育った人が、理不尽な目に遭い続けてきた子どもによくそんなことが言える。
・感謝されるためにやったのか?
・やるやらないは自分で決めればいいことなのではないか? (世の中にはこれが当てはまらないケースがあることも重々承知しているが)
などなど、呪詛のような文章が頭をぐるぐるすること数分。このときの私はきっと、あくどい顔をしていたでしょう・・・ああ我ながら恐ろしい。
結局、祖母が伯母に、我が家は喪中であることを口頭で伝えてくれることになりました。
・・・
ところで、私は祖母と話しながら上記のような正論を脳内で展開させていたわけですが、その直後に読んだ本にこんなことが書いてありました。
「正論が通じない理由のひとつは、正論を言うとき、自分の目線は、必ず相手より高くなっているからです」
ま、まさに!!
「相手は、正しいことだからこそ傷つき、でも正しいから拒否もできず、かといって、すぐに自分を変えることもできず、『わかっているのにどうして自分は変われないんだ』と苦しむことにもなりかねません。正論は、相手を支配します。ですから相手は、あなたのことを『自分を傷つける人間だ』と警戒します」
この文章を書いたのは、山田ズーニーさん。『話すチカラをつくる本』という文庫です。
私はよく、正しい人というのは他人に厳しいと感じます。
自分は間違っていないという確信があるから、発言に躊躇がない。言われた方は最初はムカッとくるけれど、あとにズドンと落ち込む。なんていやな人なんだろう。
その、いやな人になるところでした。(ちょっとなってるけど)
山田ズーニーさんは、「誤解を解く」というテーマで白いカラスの論法というのを紹介しています。
たとえばあなたが「カラスを白だと言った」と誤解されたとします。たいていはカッときて、「私がカラスを白いと言ったって? とんでもない。私はそんなことを言ってません。言ったんなら証拠を見せてください」とやってしまいがちです。(私もやりそう)
そうではなく、大切なのはまず「問い」をはっきりさせること。
1.問題の一番根っこの「問い」は何か? → カラスは何色か?
2.相手はそれについてどう思っている? → 黒だ
3.自分はそれについてどう思っている? → 黒だ
これでいきますと私と伯母の場合、
1.問題の一番根っこの「問い」は何か? → 今回の入院について私が伯母に感謝しているかどうか
2.相手はそれについてどう思っている? → 感謝していない
3.自分はそれについてどう思っている? → 感謝している
そう、感謝はしているんです。アルコール依存症の家族を入院させ、家を片付け、退院後も温かく見守るというのは本当に本当に大変ですから。
ただ、それを強要されるのが嫌なんです。それと、私たちのこれまでをまったく考えていない風なのも。
山田ズーニーさんはこうも書いています。
「『相手を元気にしてやろう』とか、『間違いを訂正しよう』とすることよりも、『通じ合う』ということが、いちばんの問題解決になっていると思います。落ち込んでいる人は、たった一人、通じ合う人がいれば力が湧くし、事実の究明より先に、自分と相手が一つの共感ポイントでしっかり通じ合えば、誤解は解けはじめます」
私と伯母の共感ポイントは、「アルコール依存症と関わることはとても大変である」ということ。
そこはわかっているのです。
でも、今すぐどうこうできそうには思えません。焦るとまたこじれそうな気がします。
でも、わかっただけ一歩前進、と思いたい。
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