昨夜放送のNHK「ハートをつなごう」
久々にテレビを真剣に観ました。
テーマは「依存症からの回復」
依存症は治癒することのない病気といわれていますが、適切な治療を受け、依存対象から距離を置いた生活を心がければ、社会復帰は可能です。(番組HPより)http://www.nhk.or.jp/heart-net/hearttv/
くいいるように見てしまったのは、アルコール依存症の男性が退院し、再就職するも、もがき苦しみ、安定した生活を築くまでの道のりです。
【なぜ苦しいのか?】
最初の勤め先で、その男性はアルコール依存症であることを公表しませんでした。隠し通そうと思ったのです。
「恥ずかしい病気である」「偏見の目で見られるんじゃないか」という恐れがありました。
(当時のことを「自分自身も、病気に対して偏見を持っていたんですね」と振り返っておられたのが印象的でした)
仕事をしていれば、お酒の席もあります。
そういった場所では「アルコールアレルギーなんです」などと言っていたとのこと。
入院前に「飲んでない」と嘘をつき続けていた彼。
内容は違えど、また嘘をつく生活です。
【アルコール依存症であることをオープンにする】
しかし「嘘をつくのに疲れた」彼は、新しい就職先を探すにあたって最初からアルコール依存症であることを公表することにしました。
そしていい勤務先が見つかったのです。
「会社にお中元でビールなどが届いて分配するときも、自分には違うものがまわってくる」
ありがたいと彼は笑っていました。
【隠すか公表するか】
「アルコール依存症は身分の低い病気」
漫画家で、アルコール依存症の元夫をもつ西原理恵子さんが言っていました。(詳しくは『毎日かあさん』を読んでください。泣けます)
たとえば癌であると告げたら、可哀そうといわれる。
けれどアルコール依存症と言っても、可哀そうとはいわれない。助けたいとも思われない。
これは、実感としてよくわかります。
癌は好きでなるんじゃない。でもアルコール依存症なんて、自業自得なんじゃないの? 強い意志があれば酒なんてやめられるじゃん。
そういった感情を抱く人が、大多数でしょう。
でも好きでアルコール依存症になる人なんていない。意志だけで治せるひともいない。アルコール依存症患者に酒を飲むなというのは、喘息患者に咳をするなというのと同じことなんだから。
まず、この「身分の低い病気」という認識をどうにかしなきゃいけない。
どうしようもない人間だからかかるわけじゃない。誰だってかかる可能性のある病気なんですよね。
アルコール依存症に対する知識を、多くのひとに持ってほしい。
強くそう思いました。
【世間体】
また、この番組を見ていて実感したのは、
病気を隠すのはアルコール依存症患者にとってマイナスである
ということ。
私自身の経験から言いますと、父がアルコール依存症ですが、祖母(父の母)は絶対に父の病気のことを周囲に話そうとしません。
全然別の件で私が祖母の妹と連絡をとっていたら、
「まさか●●のこと、馬鹿正直にしゃべってないでしょうね!?」
とすごい剣幕で電話がかかってきました。
父のアルコール依存症について知るのは、祖母の周辺では伯母(父の姉)一家だけです。
祖母の住んでいるところは田舎なので、噂や人の目というのが大きな意味を持つのだというのは、私にもわかります。
でも、隠されたままで、父は本当に回復するのか。
社会復帰できるのか。
いつも疑問に思います。
・父の世界が狭まる
(実家近くの旧友たちと食事もできない。腹をわって話すこともできない)
・父が自己嫌悪に陥る
(恥じる病気なのだ。一生隠さねばならない病気なのだ)
・父が嘘をつき続けなければならない
(仕事をしている、離婚などしていない、など祖母の望む嘘をつき続ける)
こういったことは、父のためにならないでしょう。
【アルコール依存症であることを公表しよう】
「自分は酒を一滴でも飲むとだめな、アルコール依存症という病気である」
今後のことを考える上で、公表は欠かせないと思います。
祖母がこの意識を持ってくれたら、父の回復への道は一歩進むのではないか。
そんなことを考えながら、「ハートをつなごう」じっくり見ました。
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