アスペルガー症候群って知ってますか?
知的障害のない広汎性発達障害のタイプのひとつで、自閉症の範疇に入ります。
特徴は
1.対人関係がうまく築けない
2.コミュニケーションがうまくとれない
3.興味・行動に強いこだわりや偏りがある
たとえば
「自分のことばかり話して、他人の話をきかない」
「大人のように難しい言葉を使う」
「電車の時刻表やカレンダーなどを暗記している」
などです。
私の姪が、このアスペルガーだと診断されました。妹の子どもで、3歳です。
そして昨日読んだ本『死刑でいいです』の山地悠紀夫も、同じアスベルガー症候群と診断されました。
【山地悠紀夫】
16歳で自分の母親を殺し、さらに大阪で面識のない27歳と19歳の二人の姉妹を刺殺して死刑判決を受けた男、
それが山地悠紀夫です。
山地は母親殺害後に入った少年院で、他人に共感できにくい広汎性発達障害のアスペルガー症候群と診断されていました。
・豊川市の夫婦殺傷事件(犯人は17歳の男子高校生「人を殺してみたかった」)
・長崎市で12歳の少年が4歳男児をビル屋上から転落死させた事件(2003年)
・JR岡山駅のホームで18歳の少年が岡山県職員を突き落として殺害した事件(2008年)
これらすべての犯人が、同じアスペルガー症候群だと診断されています。
強調したいのは、
アスペルガー症候群だから凶悪犯罪を犯したというわけではない
ことです。
山地はアルコール依存症で暴力的な父親と、買い物依存症の母親に育てられました。父は早くに亡くなり、母子家庭は「こんな貧乏なうちがあるのか」と近所のひとから驚かれるほどの貧困生活。さらには学校ではひどいいじめに遭っていました。過酷な成育歴によって、彼はゆがんでいったものと思われます。
山地は「死刑でいい」と話し続け、
2009年7月28日、25歳で死刑が執行されました。
【親の大切さ】
精神科医の定本ゆきこさんによると
「発達障害がリスク要因になっていたとしても、そこから事件に至るまでには、環境は重要な要素」
「しっかりした親がいれば、生きるためのスキルを身につけさせようとする。事件を起こすのは、守ってくれる大人がいなかった子が多いんです」
とのこと。
山地の成育歴は本当に、悲惨そのものです。なにもかもがうまくいかない。不安、絶望、焦燥感。
親がなんとか愛情深く山地と関われたら。
そう悔しく悲しく思う一方で、もしかしたら彼の両親も彼と同じような個性を抱えていたのかも、とも思います。
【発達障害の親は傷つく】
「障害自体は生まれつきで、育て方は関係ない」
発達障害については、識者たちもそう言います。けれどいかんせん世の中にあまり知られていない障害なので、
「しつけがなってない」
と言われてしまうのです。私も姪を連れてデパートの屋上へ行ったとき、姪が大きな声を出してしまって、ほかの親から聞こえざまに「怖い子ね~~」等々いやみを言われたことがありました。
妹が「公園に行きたくない」という理由がよくわかり、涙がこみ上げてきました。
さらに、発達障害の子を持つ親は、身内からも傷つけられます。
妹は姑舅と最近同居しはじめたのですが、彼らから
「あなたがいないときは、●●ちゃん(孫)いい子なんだけど」
「同居しはじめてから、●●ちゃんの言葉が増えたし、お利口になった」
「あなたがどんなしつけをしてきたか、よくわかった」
などと日常的に言われています。
姑は言語トレーニングなど病院にも同行してくれています。もちろん医師の話をいっしょに聞いてくれているのですが、それでもこんな「無知は罪」なことを言うんです。
「わたしは四人育てたから、わかるんです。これくらいの子は普通にいる。大したことない。障害というほどのこともない」
と医師に胸を張って言うそうですが・・・
楽観視するのは自由なんですけれど、アスペルガーは早期からその子にあった接し方をしていくことが大切だといわれるので、やみくもに「大丈夫」「このくらい大したことない」と主張されると、心配になってきます。
『死刑でいいです』の最終章は、大人の発達障害について深く掘り下げています。
「発達障害をもつ大人の会」代表の広野ゆいさんは、自身も発達障害があります。
彼女はこう言います。
「早期診断が重要だといわれますが、有効な点は、母親が『普通の子と同じように育てよう』と思うのを阻止すること」
「頑張っても『普通』にはなりません。全部に近いエネルギーを注いで普通を目指すのは嫌じゃないですか。でも、実際はほとんどのひとがそれを強要されて育てられる」
【発達障害のいいところ】
前述の精神科医定元ゆきこさんは、発達障害のいいところをこんな風にあげています。
「人に流されない点。周りに支援してくれる人がいれば、得意なことを生かして社会に適応していける」
「みんなじゃないけど、自己評価が高いアスペルガー症候群のひとはおどおどせず、堂々としている」
「自信を持っていて、自分は今のままでいいんだと思える人はいい。ノーベル賞受賞者にもそういうタイプのひとはいます」
「自信を持つには、成功体験の裏付けが必要です。たたかれて育つと難しいです」
すべて、どんな人間、どんな子育てにもあてはまるなあと思います。
エジソンやレオナルド・ダ・ビンチ、坂本龍馬も発達障害だったといわれています。
【私がこれからしたいこと】
○姪が得意なことをのびのびやれるようにサポートしたい
○姪をいっぱい褒めたい
○妹の話をいっぱい聞きたい
【出版されたばかりの良書】
『死刑でいいです』は、素晴らしいルポルタージュです。
2008年3月から7月にかけて、室蘭民報、東奥日報、山梨日日新聞、山口新聞、四国新聞、熊本日日新聞など18紙に掲載されました。
読んでいて、手から汗がいっぱい出ました。
↓ 最近飲酒欲求がまったくなくなりました。
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