意味のないもの―署名、なつ印
いま、私の目の前に一枚の紙切れがあります。
そこには、こう記されています。
「私儀 ○○(父の姓名)は、平成16年10月13日 断酒します」
そして署名、捺印。
それから少しスペースを開けて、
「私儀 ○○は、平成16年10月15日 断酒できなかった場合、10月26日入院の手続きを取ります」
そして署名、捺印。
・・・
なんと説得力のない紙切れでしょう。
最初の誓いと次の誓いとのあいだに、すでに呑んでしまっているのですから・・・。
早過ぎ!!
しかもこの誓約は、大事な「検査報告書」の裏に書いてあります。
ちなみにγGTPは262。私は「ヒョエーッ」と思いましたが、父は「中島らもに比べたら屁みたいなもんだ」とホッとしていました。基準値は16~73だというのに。
断酒するにあたって、この誓約書というものは、本当に無意味だと思います。
よくビジネス書に「夢や目標を手帳に書いて、毎日見る。声に出して読み上げる」なんて書いてあります。それは確かに効果のあることだと思いますが、アルコール依存症患者に対しては、ほぼ無意味でしょう。なぜなら
・書いたことを忘れる
・飲酒欲求の前では、誓約書といえど、ただの紙切れになってしまう
ではどうすれば断酒できるのか?
どうすれば入院を決意するのか?
↓
「底つき」
これだと、私は思います。みなさんはどうお考えでしょうか。
『毎日かあさん』の鴨ちゃんも、離婚してどん底を味わってから、アルコール依存症という病気とひとりで戦いました。立派に断酒して、家族のところへ戻ってきました。
私の父も、母や私たち娘四人がついているときは、断酒へのやる気ゼロでした。いえ、実はあったのかもしれませんが、スリップの速さが尋常じゃなかったんです。助けてくれるひと(=共依存者)がいるから、ですね。
それが離婚して、職を失って、生活保護を受けるようになって、初めて、真剣に断酒の必要性を痛感し、一年間の断酒に成功したのです。最近再飲酒しちゃいましたけど・・・
これって、アダルトチルドレン側からすると、やっぱり「底つき」のなせる技だと思うのですが、アルコール依存症の方からすると、もっと違う理由があるのでしょうか。
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